hajimetenoblogid’s diary

このブログは、反安倍ファシズムのすべての人々と連帯するために、米村明夫が書いています。

ファシズム台頭の背景(1)

 前回、ファシズム政権は、戦争準備、戦争遂行を目的(役割)とするものだと述べました。この戦争準備・遂行の理由、中身を理解するには、何故ファシズムが台頭するのか、という問題を考える必要があります。

 ファシズム台頭の背景には、世界的な経済不況やその中での経済競争の激化があります。この見方は、基本的にマルクス主義のアイデアですが、私は最も説得力がある、体系的な見方だと思います(柄谷行人『歴史の構造』)。

 グローバリズム新自由主義というのは、一般には、アメリカの強さの表れのように捉えられていますが、そうではなく、その相対的地位が下がってきている中で、どうにか、優位を保とうとする、余裕の無さの表れです。トップが余裕を失っているわけですから、他のみんなは余裕どころではありません。

 国際的な経済競争の激化は、国際的な政治・軍事競争(対立)の激化をもたらします。

 新自由主義は、経済を自由にして国家を弱くする、というふうに言われますが、これも違います。競争激化の時代は、国家が国民に対し福祉切り捨ての「自由」を取り戻します。政治、軍事の面でも、国家は国民の監視から「自由」になり、自らを対内的、対外的に強化しようとします。

 また、国際経済・政治の競争・対立激化は、国際的なブロック形成(国家間の協力や同盟)をもたらします。競争・対立の激化が、それを余儀ないものとするのです。

 形成されるブロック内では、国家権限の部分的譲渡のような現象が生じます。しかしそれは、各国家が無くなっていくことを意味するのではなく、逆に、各国家が世界的な競争の中で生き残り、有利な位置を占めていこうとする動機に基づくものです。

 したがってまた、いつかは世界が一つになるように、ブロックが拡大していくわけではなく、競争的、対立的な大国や他のブロックが存在することを前提に、ブロックは形成、拡大、再編成されていきます。

 ですから、グローバリゼーションによって、資本が国境を越え、だんだん国境が無くなり、世界が一つになっていく、というようなイメージが、しばしば語られますが、これも間違いであることがわかります。資本の活動には、国内でも国外でも、常に国家の庇護が必要です。

 ずいぶん長くなってしまいましたが、まだ、ファシズムの話になっていません。でも、何となくファシズムの雰囲気が漂っていませんか?そうです。ファシズムは、世界全体がファシズムを生み出しやすい状態の中で生まれてくるのです。

 次回以降に、それを議論します。