hajimetenoblogid’s diary

このブログは、反安倍ファシズムのすべての人々と連帯するために、米村明夫が書いています。

ファシズムと官僚達――青井未帆氏のインタビュー(新バージョン)

 昨日のブローグで、青井未帆氏のインタビュー記事を引用して議論しましたが、私の誤読もあり、お詫びして削除して、新しいバージョンにします。

 このバージョンは、氏の主張と、私の安倍ファシズム政権が、官僚(・大資本)のグループと安倍自民党・極右団体個人グループの2つよりなっている、という議論との対応を記録しておきます。私の勝手な読み取りかもしれませんが、私の議論とよく対応しているように思います。

 

 青井未帆氏が日刊ゲンダイのインタビュー記事で、次のように述べています。

憲法学者・青井未帆氏が危惧 「安保法制で憲法が紙切れに」

http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/159824/4

 

安保関連法について、戦争が目的なのかというと、ちょっと違うかもしれないですね。政府は自衛隊を外交の道具として使いたいのかな、と思います。軍事力を背景にしないと外交ができないと思い込んでいる人たちが、今、日本を動かしている節がありますからね。そういう人たちが戦争をしたいのか、というと必ずしもそうではないけれども、後ろ盾として軍事力が欲しい。

 

 ここで、「軍事力を背景にしないと外交ができないと思い込んでいる人たち」というのは、おそらく私が述べた1つ目のグループを言っているように思います。

 氏は続けて次のように指摘しています。

米国としても予算逼迫の折、日本がやってくれるんだったら大変ありがたいと思うのは当然。(米国が日本に求めている)機雷掃海だって危ないですからね。人の命がなくなることを前提として、それでも道具として提供しましょう、と日本側が言っていることになります。実質的には福島先生がおっしゃるように、米国と一緒になって戦争するということだとは思いますが、言い方が難しいですね。それが目的というより、もっと質が悪いというか、経済も含めて、根深いところで、自衛隊の変質というものが図られているような気がします。

 「米国と一緒になって戦争する」けれども、それは目的ではなく、「人の命がなくなることを前提として、それでも道具として提供」する、つまり、「米国と一緒になって戦争する」という外交の手段として自衛隊員の命を差し出す、というわけです。このことは、私が、5月18日付けのブローグ(ファシズム台頭の背景(3)――安倍政権の場合(その1))で、第1グループは対米従属で戦争に向かうが、彼らにとって戦争は手段だ、と指摘したことです。

 「それが目的というより、もっと質が悪いというか、経済も含めて、根深いところで、自衛隊の変質というものが図られているような気がします」と指摘されている部分は、何を念頭に言われているか、私にはわかりません。第1グループだけの話でなく、第2グループの意図が入ってきているような印象も受けます。

 別の場所で、次のような指摘があります。

日本の場合、憲法9条があるので、そもそもできることには限界がある。米国のように、軍事力を国益だけでなく私企業の権益を守るためにも使います、とハッキリ打ち出している国とは違うのですが、安倍政権は米国と同じような軍隊の使い方ができる国にしたいのではないか。できること、できないことがあって、できる範囲でやるのではなく、とりあえず何でもできるようにして、その中から政策判断で何をやるかをピックアップできる国にしていきたい。それは9条を改正しないと無理な話なのですがね。できないことは、できない。そういう歯止めがなければ、憲法が意味のない紙切れになってしまいます。

 

  これは、はっきりと、第2のグループの目標です。つまり、戦争準備、戦争遂行です。

 青井氏の表現は、安保関連法は、まだ第1グループの意図に対応していて、戦争準備、遂行という第2グループの意図は、憲法を変えてからでなければ実現できない、ということだと思います。

 ただ重要、かつ、わからない点は、「憲法が意味のない紙切れになる」から現実にできないと判断されているのか、べき論として、それはとんでもない反則だ(が安倍政権ならやってしまうかもしれない)、と言われているか、不明だということです。

 いずれにせよ、日本版NSCと秘密保護法制定時以降の安倍ファシズム政権(第1と第2グループの共同)が、急速にここまでの事態を実現しつつあるわけです。第1グループの意図の段階で止まったとしてもそれだけでも酷い事ですが、それに止まることはあり得ません。必ず、第2グループの目的へと急速に進んでいくでしょう。

 ですから、何が起きているかを理解するために、分析することは重要ですが、私は、福島瑞穂議員の「戦争法案」という指摘は、的確であり、日本版NSKと秘密保護法制定時以降の安倍ファシズム政権の目的が戦争準備、遂行にあることを今から警鐘、乱打し続ける必要があると思います。

 それから、前にも書きましたが、こうした共同を行なう、第1のグループ(官僚)への批判を行なう必要があります。

 第2グループとの共同を積極的に行なうこと自体が、第1グループ(官僚)の倫理的腐敗、傲慢、公務員としての責務(民主主義・憲法擁護)への裏切り、大局的な見方の喪失、理性の後退です。こうした共同があるからこそ、ファシズムは強大となっていくのです。彼らはファシズムの一部なのです。

 自衛隊員の死者は必ず出ます。そうすれば、第1グループは、必ずそれを合理化するでしょう。一度過ちを犯せば、それは次の過ちへと進まざるを得ないのです。それは、彼ら自身を含むファシズム体制を強化するものとなります。そして、膨大な犠牲が生まれた後、第1グループは、「自分達の意図は戦争ではなかった」、「政権に言われて、職務を果たしただけだ」というでしょう。

 私達は、すでにファシズムの歴史的経験を知っており、その中でファシストの役割を忠実に果たした官僚、そして自分は後でファシストではないと主張した者が多くいることを知っているわけです。

 現在の日本の第1(官僚)グループに対しても、「あなた方はすでにファシズムの共犯者となっている。憲法擁護者としての公僕にもどるべきだ」「あなたが歴史を知り、憲法擁護を職責とする者であるならば、あなたがファシズムに協力することは、自身がファシストということだ」という声を上げていかなければなりません。