hajimetenoblogid’s diary

このブログは、反安倍ファシズムのすべての人々と連帯するために、米村明夫が書いています。

ファシズム、クーデター、そして「最高独裁者」としての安倍首相

 このブローグの目的は、少しでも多くの人に安倍政権の危険性をわかってもらうことです。そのために、ファシズム、クーデターといった強い言葉でそれを訴えてきました。

 もしかしたらこうした強い言葉は、「強すぎる」と思われていたかもしれませんが、この数カ月の間に、安倍政権のやっていること、その性格を表すのに「ぴったりする」というように、世間の感覚も少し変わってきていると思います。

 一昨日の東京新聞の「こちら特報部」欄に、「安倍政権の異質さ」「議論の拒否」「公共システム私物化」「独裁・暴政への一歩」という見出しが並んでいます(2015年7月7日)。

 記事では、次のようなことが書かれています。

 

(「議論拒否」の例)

五月二十日の党首討論でも、岡田氏から安保法案の議論に関して「間違っている」と追及された際、「法案についての説明は正しいと思いますよ。私は総理大臣なんですから」と返した。

 

 

(「公共システム私物化」の例)

  とりわけ、公共放送は政権の装置ではなく、国民のためにある。しかし、現政権はそのNHKの人事へも大胆に介入した。新任NHK経営委員人事案・・・には作家の百回尚樹氏や埼玉 大名誉教授の長谷川三千子いずれも首相に近い人物がいた。・・・一四年一月にやはり首相に近い籾井勝人氏が就任した。

・・・

憲法解釈の番人」の人事が好例だ。一二年八月、内閣法制局長官小松一郎駐仏大使(故人)をあてた。法制局勤務経験のない人物の異例の起用だった。小松氏は第一次安倍政権当時は外務省国際法局長。首相が集団的自衛権の行使容認に向げて設置した有識者会議の事務作業に携わっていた。著書「実践国際法」でも、集団的自衛権の行使に理解を示している。

・・・

「通貨の番人」の日銀総裁もそうだ。一九九八年以降は日銀内部昇絡との慣例を破って、三厚三月、財務省出身の黒田東彦氏を起用した。黒田氏はアベノミクスの「異次元の金融緩和」を主導している。

・・・「原子力の番入」も例外ではない。一四年六月の原子力規制委員会人事だ。原発直下の活断層を調べてきた島崎邦彦委員長代理を任期満了で退任させ、推進派の東大大学院の田中知教授らを榔躍した。田中氏は過去に電力会社の関連財団から報酬を受けていた。

・・・

 

 

 これは、「最高独裁者」としての安倍首相とまとめることができます。

 また「ぴったりする」言葉が出てきましたね。

 安倍首相は「私が最高責任者なので、私の憲法解釈が正しい」というような言い方をします*1

 彼は、「最高責任者」=「最高権力者」という意味で使っており、最高権力者として自分が解釈、決定する権限がある、自分が権限を行使する、それは正当である、と言っています。 

 確かに、近代国家では、首相や大統領に最終的な決定権限が与えられているといってよいでしょう。

 では、それと独裁とどう違うのでしょうか。

 民主主義では、まず、権力形成以前に、国民の人権を最高の価値とします。権力形成後も、権力者は人権を犯すことはできません。

 そして、首相や大統領を頂点とする権力と国民の関係についていえば、権力形成の過程、権力の組織・制度、権力の運用、これらすべてのレベルで国民による統制を根本原理としています。

 権力形成後(権力の組織・制度と権力の運用)の国民による統制は、様々な形をとります。国民に対する説明責任、国会における議論・監視、三権分立、法による統制、専門家の意見・自律的活動の尊重、等です。

 国家の頂点にある独裁者は、これらの国民の権利の尊重の義務と国民による権力の統制を避けるために、自分は権限があるということのみを強調します。そして、国民の権利を実現する制度や慣行、および国民による統制を直接・間接に体現する制度や慣行を実質的に破壊していきます。

 独裁と言う時、独裁者による言論弾圧、反対者の投獄、議会の閉鎖、等のイメージを持つかもしれません。

 しかし、ファシストは、価値一般を冷笑しながら、人々が信じている価値を手段として利用することを厭いません。

 人々が民主主義を信じていて、それを尊重せざるを得ないなら、それを手段として利用します。

 私達の目の前の独裁者は、民主主義制度を形骸化しつつ、それを利用して自らを正当化し、そして私達の人権を根本から破壊する戦争政策を実施していこうとしているのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*1:「責任」という言葉については、水島朝穂氏のホームページに、三上佳佑氏による議論が出てきます。参照してください。