ファシスト・チャイルド武藤貴也衆院議員の「理論」的源泉(1)
武藤貴也衆院議員がツウィートで、SEALDsについて「『だって戦争に行きたくないじゃん』という自分中心、極端な利己的考えに基づく」と批判し、「利己的個人主義がここまで蔓延したのは戦後教育のせいだろうと思うが、非常に残念だ」と述べたことが、批判を呼んでいます。
例えば、
この中で、古舘氏はアメリカの歴史学者であるジョン・ダワー氏のインタビューの話をしています。
このブローグのファシズムシリーズの中で、世界平和の流れを扱うつもりでしたが、まだ書いていません。
世界平和は、観念的な希望ではなく、世界大戦の中で急速に現実化し、パワーを持って来た運動です。そうした流れの中に、ダワー氏が存在し、氏の研究もあります。
氏は、インタビューにおいてこの流れで生まれた憲法と、私達日本人が曲がりなりにも守ってきた70年を、共感を持って語っています。
このような流れと逆行するものとして、ファシズムがあります。
武藤議員(神道政治連盟国会議員懇談会所属)は、ファシストチルドレンと呼ぶべき人物の一人です。
武藤氏のブローグを見ると、彼は、平和主義、国民主権、基本的人権を正面から否定しているので、憲法が規定する議員が持つ憲法擁護義務に反する憲法違反議員です。
彼は、彼のツウィートへの批判を認めるどころか、ブローグで開き直っています。
また、彼のSEALDsへの攻撃のしかた、主張のしかたを見ると、宣伝効果を得るためなら、どう作為しても良い、という態度が明白です。
彼は、ツウィートで勝手にSEALDsが「だって戦争に行きたくないじゃん」といっているようにまとめた後、ブローグでは、「つまり、『SEALDs』の方が仰る『だって、戦争に行きたくないもん』という自分個人だけの感情で、今議論されている平和安全法制に反対する」と書きます。あたかも、SEALDsがそのように言っているような書きかたです。
また、「戦争に行きたくない」への彼の批判と、提出されたものが「戦争法案ではない」という彼の主張の間にある矛盾にも全く無頓着です。
堂々といえば、矛盾も気付かれないというファシズムの宣伝の論理を適用しているのでしょう。
そしてまた、安倍自民党執行部の忠実な尖兵であることを執行部へ売っているのでしょう。
前置きが長くなりましたが、本来、私が「ファシスト・チャイルド武藤貴也衆院議員の『理論』的源泉」というタイトルで書こうとしたのは、武藤氏が依存する理論や人物がどのようなものであるか、ということです。
そしてそれが、世界平和の流れから見てどのような位置にあるのか、ということです。
彼のブローグの2015-08-03 を見ると、彼の主張を支えるために2つの文献が出てきます。
第1は、砂川判決における田中耕太郎元最高裁判所長官の補足意見であり、第2は、7月13日の平和安全法制特別委員会の参考人(元外交官)岡本行夫氏の陳述です。
いずれも、与党が戦争法案を合理化するために持ち出すものです。
今回、武藤氏がツウィートの件で「有名」になり、氏のブローグを閲覧する人も増えていると考えられます。
そこで、私としても、これらの文献についての批判をきちんと行なっておきたいと思います。
次回以降に続きます。