カナダによる空爆撤退--メディアの責任を考える
touitusensenwoさんからのコメントで、カナダのIS空爆からの撤退方針のことを指摘していただいています。
ツウィートでも端的にこんなふうに書かれています。
カナダ人旅行者はカナダの旗をつけて世界を歩く。これはカナダ人だと示す事によって安全になるからだ。安倍政権以前の日本人には同じ様な力が使えた。カナダ人は、その意味が良くわかっているから選挙公約でIS爆撃をやめると言った政権を勝たせた。 http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/45107 …
本来なら、日本の新聞の第一面に書かれなくてはならない重要なことです。日本のメディアは機能していませんね。
判断に必要な事実や基準を得ることができないのですから、国民がまともな判断をできないのは当然です。
カナダでは、国民が選挙を通じて空爆に反対する政権を誕生させたので、アメリカも表立っては、文句をいうどころか、新政権に「祝福」の言葉を表明するしかありませんでした。
日本では、2009年に鳩山民主党政権ができて、公約にしたがって沖縄の普天間基地移転を県外にとしようとしたら、何故かほとんどの新聞が鳩山政権を叩きました。
選挙の持つ意味、政権交代の意味をぶち壊した一義的責任はもちろん民主党自身にありますが、メディアにもかなりの責任がある、と私は考えています。そして、このメディアの無責任状況は現在につながっています。
私は「何故か・・鳩山政権を叩いた」と書きましたが、事実「県外移設」に関しては、全くまともな理由がないまま、鳩山政権は叩かれ、国民もそれにしたがって何故か鳩山首相がとんでもないことを主張しているかに思わされ、結局鳩山首相は退陣することになってしまいました。今でも、鳩山首相の「少なくとも県外に」発言が、間違い、荒唐無稽の主張だったように扱われています。
あの時、朝日新聞は船橋洋一という幹部がアメリカに滞在していていましたが、彼は鳩山首相を批判して「マッカーサーは日本人の民主主義は中学生並みと言ったが、また今日も同じことをいうだろう」というような主旨のことを大きなスペースを割いて論評していました。その書いていることのほとんどは、船橋氏が接触した「知日派のアメリカ人がこういっている」という内容のものでした。
この時同時に、名前は忘れましたが朝日新聞の政治部長が論評を書き、「鳩山内閣は、官僚と米国が一緒に周到に準備した基地移設計画を壊した」と非難しました。
私は、朝日新聞は、自分達の意見や国民の意見をどのように形成し、伝えるのかということでなく、アメリカの知日派とパイプをつくっておけばいい(そうすれば、朝日新聞は安泰でである)と考えているということがわかりました。*1
大新聞(朝日新聞等)はもうジャーナリズムではない、本来そんな権力を与えられていないのに、権力の一部と自分を「誤解」した存在となっている、と強く感じました。
メディアがまともでないと国民がまともに判断できないのは事実ですが、そういっていても状況は好転しません。
touitusensenwoさん達のように、重要と思う記事や意見を、フェースブック等で広げていくことも意義あることだと思います。