hajimetenoblogid’s diary

このブログは、反安倍ファシズムのすべての人々と連帯するために、米村明夫が書いています。

寅さんと統一戦線の問題

 いきなりですが、私は、山田洋次氏の映画「男はつらいよ」が嫌いです。この点で、ほとんど政治的意見が重なる「世に倦む日々」氏と逆です。柴又の寅さんが、ゴルフ場を歩いていて、プレイヤーが打った球がホールに向かっているところに気づくと、すっと掬いあげてプレイヤーに投げ返して、「礼はいらねーよっ」、というと、映画館内の客はどっと笑います。彼は、文化人類学などでいう、秩序をひっくり返すトリックスターの役割を果たしますが、彼がひっくり返す秩序はとても小さいものです。

 怒り、抵抗、粘り強さ、理論、こうしたものと無縁の世界を「男はつらいよ」は描き、かつ、それでいいんだよ、というイデオロギーを日本中に半世紀近くにもわたってふりまき続けています。我々は無力だけど、やさしいんだ。それが我々の本質だ、というのです。私は、事実として違うし、あるべき姿としてもそれは違うと思います。

 誤解を招かないように、先に言っておきますが、私は山田洋次氏を権力と一貫して闘う人、それを隠さない人として尊敬しています。反安倍ファシズムをリードする一人であり、私にも連帯させてください、とお願いします。出所(日付)を明確にできないのですが、これも「世に倦む日々」氏が、近年の山田洋次氏の講演を紹介していたことがあって、それによっても、戦前からの映画界の反骨精神を身に刻んで実行してきた人であることがわかります。

 山田洋次氏は、寅さんや人々の物語を描きながら、私が受けとった「我々は無力だ」というメッセージと違うメッセージを込めているのでしょう。

 皆さんはどう思いますか?この問題は、統一戦線という立場から、皇室の護憲発言、平和主義、立憲主義といった問題を理論的に考えなおす必要性の問題と関連しているように思います。

 今回は、前回のブログの内容を、少し違った角度から繰り返したものです。問題提起であって、回答を出していません。「世に倦む日々」氏によって触発された、私自身にとって考えなければいけない新しい問題です。