hajimetenoblogid’s diary

このブログは、反安倍ファシズムのすべての人々と連帯するために、米村明夫が書いています。

ファシズム台頭の背景(3)――安倍政権の場合(その1)

  ファシズムは、国際的な経済政治競争や対立が激化し、民主主義・平和勢力を含めた、各勢力がその対応をめぐる力学の中で、既存の国際体制に怨念を抱く勢力が、民主主義や平和主義を弾圧しながら、戦争を準備、実施するために現れてきた、ということを、第1次大戦後について見てきました。

 現在、経済的・国家的国際競争が激化していることは、誰もが感じていることでしょう。TPPといった「自由貿易協定」と呼ばれるものも、ブロック経済的なものです。安倍政権ファシズムと言わないのと同じく、このこともマスコミはずばりと言いませんが。

 「自由貿易協定」は、各企業や各国家が生き残りや競争の中で少しでも有利な位置を占めようとして、否応なく参加せざるを得なかったり、あるいは他国を否応なく参加させたりするものです。そして、世界がブロックに分割されていきます。あるいはすでにあるブロック間の政治的対立や競争を反映したり、促進したりします。

 現在の安部ファシズム政権は、この競争状況からどのように生まれてきたのでしょうか。この競争状況にどのように対応しているでしょうか。どんな戦争を彼らは準備しているのでしょうか。このことを理解するには、このファシズム政権の支持勢力を分けて考える必要があります。

 最初のグループは、官僚と大資本のグループです。彼らはほぼ反射的に米国との政治的・経済的ブロックを組むこと、米国のつくったブロックに参加することのみを考えます。対米従属グループです。彼らにとって他の選択肢は全くないのです。米国によってブロックへの参加が歓迎され、ブロックの中での自己の位置が少しでも良くなるのであれば、軍事的な従属、それに伴う人命の犠牲も厭わないグループです。大資本の中でもすでに軍需産業に従事しているものは、軍事的な生産、販売がより公然と許され、拡大できることを歓迎します。沖縄は、まさにそうしたグループによって犠牲を強いられてきましたが、さらにそれを強化されようとしているのです。

 彼らは、対米従属によって、官僚としての地位が保証されるとか、より商売ができる、と考えており、そうした自分たちの利益を「国益」というような言葉で表します。そして、軍隊を持つことによる犠牲は、国民と闘う兵隊に負わせることに躊躇しません。

 ただ彼らは、憲法によって、軍事的な道を制限されていました。彼らは、過去に何回か自民党の下で憲法改正を試みましたが、国民は、それを阻止してきました。そして、「非戦闘地域」まで自衛隊を派兵するというぎりぎりのところまで来ましたが、ともかく憲法のおかげで直接に死者を出すことがなしで来ました。

 そこに安部ファシズム政権が現れました。その憲法無視のファシズム的手法は、官僚と大資本の年来の「夢=軍事レベルを含む完全な対米従属」を実現してくれるものであり、積極的に支持、協力します。

 官僚と大資本の態度や行動は、先に述べたような自己利益に基づくもので、そこには、戦後秩序に対する怨念や、どうしても闘える軍隊を持ちたいといった思想や動機があるわけではありません。自分達はファシストではない、というでしょうが、その思想、動機が異なるにしても、その憲法無視、民主主義破壊への協力という点で、ファシズム勢力を構成しているといえます。特に官僚は、憲法擁護義務を持つことを自覚しているのですから、倫理的な意味以上に、その反民主主義的な行為は糾弾されるべきです。